はじめに:通信制大学も履歴書の学歴欄に書ける
通信制大学に在学している人や卒業した人の中には、
「履歴書に通信制大学と書いて大丈夫?」
「通信教育課程まで書く必要はある?」
「卒業見込みや中退はどう書けばいい?」
「通信制だと就職で不利になるのかな」
と不安になる人もいると思います。
結論から言うと、正規課程の通信制大学は、履歴書の学歴欄に記載できます。
文部科学省のマナパスでも、通信教育課程を卒業すると、通学課程と同様に学位や称号が授与されると説明されています。通信制だからといって、大学で学んだ事実を省略する必要はありません。
筆者通信制大学も、正式な大学名・学部名・学科名を履歴書に書けます。
ただし、在学中・卒業見込み・卒業・中途退学では、最後の書き方が変わります。
また、「通信教育部」「通信教育課程」などの表記は大学によって異なります。
履歴書を書く前に、次の資料で正式名称を確認しましょう。
- 在学証明書
- 卒業証明書
- 学生証
- 大学の公式サイト
- 大学案内
- 学則や履修要項
この記事では、通信制大学の履歴書の書き方を、状況別の記入例と一緒に解説します。
※履歴書の指定書式がある場合は、応募先の指示を優先してください。正式な表記が分からない場合は、大学のキャリアセンターや事務局へ確認すると安心です。
通信制大学は履歴書の学歴欄に書ける?
正規の大学通信教育課程へ入学している場合は、履歴書の学歴欄に記載できます。
通信制大学を卒業した場合も、大学卒業として記載できます。
通信教育課程は学習方法が通学課程と異なりますが、卒業すると通学課程と同様に学位や称号が授与されます。
通信制大学も、入学・在学・卒業・中退の事実を学歴欄へ正確に書きます。
通信制大学を省略しなくてよい
「通信制と書くと不利になりそう」と心配する人もいると思います。
しかし、在学している大学や卒業した大学を不自然に省略すると、学歴の時系列が分かりにくくなることがあります。
通信制で学んだ事実を隠そうとするよりも、
- どの分野を学んだか
- どのように学習を続けたか
- 仕事や生活とどう両立したか
- 学んだ内容を仕事でどう生かすか
を説明できるようにしておく方が安心です。
通信制大学の就職や面接での伝え方が気になる人は、こちらの記事も参考にしてください。


学部・学科・課程名も確認する
履歴書には、大学名だけでなく、学部名や学科名も書くのが基本です。
大学によっては、正式名称に次のような言葉が含まれます。
- 通信教育部
- 通信教育課程
- 通信教育学部
- オンライン学部
- 正科生
ただし、すべての大学で同じ表記を使うわけではありません。
通信制大学の仕組みから確認したい人は、こちらの記事も参考になります。


通信制大学を選ぶ段階なら就職支援も確認する
これから通信制大学を選ぶ人は、学部や学費だけでなく、就職支援も確認しておくと安心です。
見るポイントは次のとおりです。
| 確認すること | 見るポイント |
|---|---|
| キャリア相談 | 通信課程の学生も利用できるか |
| 履歴書添削 | オンラインでも相談できるか |
| 面接対策 | 模擬面接や個別相談があるか |
| 求人情報 | 在学生・卒業生向け求人があるか |
| 卒業生の進路 | 希望する分野への就職例があるか |
| 証明書 | 卒業見込み証明書などを発行できるか |
通信制大学によって、キャリア支援の内容は異なります。
通信制大学の履歴書を書く基本ルール
通信制大学の履歴書も、一般的な学歴欄のルールに沿って書きます。
難しい特別な書き方は必要ありません。
基本ルールの早見表
| 基本ルール | 書き方 |
|---|---|
| 年の表記 | 西暦か和暦のどちらかに統一する |
| 学校名 | 「○○大」などと略さず正式名称を書く |
| 学部・学科 | 在学時の正式名称を書く |
| 入学・卒業 | 原則として別の行に書く |
| 在学中 | 「在学中」と分かるように書く |
| 卒業見込み | 卒業予定年月と「卒業見込み」を書く |
| 中退 | 「中退」ではなく「中途退学」と書くと丁寧 |
| 編入 | 前の大学から時系列に沿って書く |
| 最終確認 | 証明書と年月・名称が一致しているか確認する |
厚生労働省のジョブ・カードの履歴書記入例でも、大学の入学と「中途退学」が学歴欄に記載されています。
西暦と和暦を混ぜない
履歴書の日付は、西暦または和暦のどちらかに統一します。
たとえば、
- 2026年4月
- 令和8年4月
のどちらでも構いません。
ただし、途中から表記を変えないようにしましょう。
学校名を略さない
履歴書には、大学名・学部名・学科名を正式名称で書きます。
避けたい例:
○○大 心理学科
分かりやすい例:
○○大学 ○○学部 心理学科
学校法人名まで必要かどうかは、履歴書の書式や大学の案内に合わせます。
入学と卒業を別の行に書く
入学と卒業は、原則として別の行に書きます。
2026年4月 ○○大学○○学部○○学科 入学
2030年3月 ○○大学○○学部○○学科 卒業
学歴欄のスペースに余裕があれば、2行に分けた方が見やすいです。
通信制大学に在学中の場合の書き方


通信制大学に在学中の場合は、入学年月と、現在も在学していることを書きます。
在学中の記入例
正式名称に「通信教育課程」が含まれる場合は、次のように書けます。
2026年4月 ○○大学○○学部○○学科 通信教育課程 入学
現在 ○○大学○○学部○○学科 通信教育課程 在学中
大学の正式表記が「○○学部○○学科(通信教育課程)」の場合は、次のような形も考えられます。
2026年4月 ○○大学○○学部○○学科(通信教育課程)入学
現在 ○○大学○○学部○○学科 在学中
在学中の場合は、大学を卒業したように見える書き方をせず、「在学中」と明記します。
アルバイト応募でも基本は同じ
アルバイトと正社員応募で、学歴の基本的な書き方は大きく変わりません。
在学しながらアルバイトへ応募する場合は、学歴欄には在学中と書きます。
勤務できる曜日や時間は、本人希望欄などへ記載します。
記入例:
大学の授業・試験日程を除き、平日17時以降および土日の勤務を希望します。
ただし、勤務可能時間は実際の履修予定に合わせて書きましょう。
「現在に至る」だけでは分かりにくい場合がある
職歴欄では「現在に至る」と書くことがあります。
一方、大学在学中の場合は、「在学中」と書いた方が状況を伝えやすいです。
現在 ○○大学○○学部○○学科 在学中
履歴書の書式に合わせて、分かりやすい形を選びましょう。
通信制大学を卒業見込みの場合の書き方
卒業に必要な単位を取得できる見通しがあり、卒業予定時期が決まっている場合は、「卒業見込み」と記載します。
卒業見込みの記入例
2026年4月 ○○大学○○学部○○学科 通信教育課程 入学
2030年3月 ○○大学○○学部○○学科 通信教育課程 卒業見込み
大学の正式名称に通信教育課程が含まれない場合は、証明書に合わせて書きます。
2026年4月 ○○大学○○学部○○学科 入学
2030年3月 ○○大学○○学部○○学科 卒業見込み
卒業時期が不確かな場合は「在学中」
通信制大学は、仕事や家庭と両立して学ぶ人も多く、履修の進み方は人によって異なります。
卒業時期がまだ決まっていない場合は、無理に「卒業見込み」と書かず、「在学中」とする方が安全です。
不安なときは、大学の事務局やキャリアセンターへ卒業見込みの扱いを確認しましょう。
卒業見込み証明書を求められることがある
新卒採用では、卒業見込み証明書や成績証明書を求められる場合があります。
大学によって、
- 発行できる時期
- 発行条件
- 単位取得状況の基準
- オンライン申請の可否
が異なります。
応募前に、大学の事務局やキャリアセンターへ確認しましょう。
通信制大学を卒業した場合の書き方


通信制大学を卒業した場合は、「卒業」と記載します。
通信教育課程を卒業すると、通学課程と同様に学位が授与されます。
卒業した場合の記入例
2026年4月 ○○大学○○学部○○学科 通信教育課程 入学
2030年3月 ○○大学○○学部○○学科 通信教育課程 卒業
大学の正式名称に課程名が含まれない場合は、卒業証明書に合わせます。
2026年4月 ○○大学○○学部○○学科 入学
2030年3月 ○○大学○○学部○○学科 卒業
学位は必要に応じて補足する
通常の履歴書では、大学名・学部名・学科名・卒業年月を書けば伝わります。
応募書類で取得学位の記入を求められた場合は、大学の証明書に合わせて「学士(○○)」などと記載します。
資格を取得した場合は、免許・資格欄に分けて書きましょう。
通信制で学んだ経験を自己PRに使う
通信制大学では、自分で学習計画を立てて、レポートや試験へ取り組むことがあります。
その経験は、次のような力として伝えられる場合があります。
- スケジュール管理
- 継続力
- 期限を守る力
- 自主的に調べる力
- 仕事や家庭との両立
- オンライン学習への対応力
ただし、「通信制大学だから必ず自己管理能力が高い」と断定するのではなく、自分が実際に取り組んだことを具体的に伝えましょう。
通信制大学を中退した場合の書き方
通信制大学を途中で退学した場合は、「中途退学」と記載するのが分かりやすいです。
厚生労働省の履歴書記入例でも、大学名・学部名・学科名に続けて「中途退学」と記載されています。
中途退学の記入例
2026年4月 ○○大学○○学部○○学科 通信教育課程 入学
2028年9月 ○○大学○○学部○○学科 通信教育課程 中途退学
中退理由は必ず履歴書に書く?
中退理由を、履歴書に詳しく書かなければならないとは限りません。
まずは次のように、事実だけを書く形で問題ない場合があります。
2028年9月 ○○大学○○学部○○学科 中途退学
短い理由を添える場合は、次のように書けます。
2028年9月 ○○大学○○学部○○学科 家庭の事情により中途退学
2028年9月 ○○大学○○学部○○学科 健康上の理由により中途退学
ただし、病名や家庭の詳しい事情まで履歴書に書く必要はありません。
応募先や仕事に関係する範囲で、簡潔に説明しましょう。
面接では「その後」を伝える
面接で中退理由を聞かれた場合は、理由だけで終わらせないことが大切です。
たとえば、
体調を整えることを優先して中途退学しました。現在は生活リズムも安定しており、資格学習を続けながら就職活動を進めています。
家庭の事情で学業の継続が難しくなり、中途退学しました。その後はアルバイトを続け、接客や時間管理を学びました。
など、その後の行動や現在の状況を簡潔に伝えます。
病気や精神疾患について就職活動でどこまで伝えるか悩む人は、こちらの記事も参考になります。


通学制大学から通信制大学へ編入した場合


通学制大学を退学し、別の通信制大学へ編入した場合は、学歴を時系列に沿って書きます。
前の大学を省略せず、入学・退学・編入学の順番が分かるようにしましょう。
通学制大学から編入した記入例
2025年4月 ○○大学○○学部○○学科 入学
2027年3月 ○○大学○○学部○○学科 中途退学
2027年4月 △△大学△△学部△△学科 通信教育課程 3年次編入学
現在 △△大学△△学部△△学科 通信教育課程 在学中
卒業見込みの場合は、最後を次のようにします。
2029年3月 △△大学△△学部△△学科 通信教育課程 卒業見込み
同じ大学内で課程を変更した場合
同じ大学の通学課程から通信教育課程へ移った場合は、「転籍」「転課程」「転部」など、大学によって手続きの名称が異なります。
自己判断で「編入学」と書かず、大学の証明書や事務局へ確認しましょう。
編入理由は前向きに整理する
面接で編入理由を聞かれた場合は、以前の大学を悪く言うより、学び方を変えた目的を伝える方が自然です。
回答例:
仕事と学業を両立しながら学び続けたいと考え、通信教育課程のある大学へ編入しました。
体調と相談しながら大学卒業を目指せる環境へ変更したいと考え、通信制大学へ編入しました。
学びたい分野がより明確になり、その分野を通信教育で学べる大学へ編入しました。
通信制大学への編入を考えている人は、募集年次や単位認定も資料で確認しましょう。
「通信制」と書かないと学歴詐称になる?
この点は、一律に「書かなければ学歴詐称」と断定できるものではありません。
最も大切なのは、大学名・学部名・学科名・在籍状況を正確に書くことです。
正式名称に通信教育課程が含まれる場合
大学の正式名称が、
○○大学○○学部○○学科 通信教育課程
となっている場合は、その名称に合わせて書くのが安心です。
正式名称に含まれない場合
卒業証明書や在学証明書に「通信教育課程」の記載がない場合もあります。
その場合にどのように記載するかは、大学や履歴書の書式によって異なります。
不安な場合は、
- 大学のキャリアセンター
- 大学の事務局
- 応募先の採用窓口
- ハローワーク
へ確認しましょう。
通信制であることを隠すために、通学課程と誤解されやすい表記をするのは避けた方が安心です。
応募先の指定を優先する
エントリーシートやWeb履歴書で、
- 通学・通信の選択
- 課程名
- 在籍形態
- 卒業区分
などの入力を求められる場合は、その指示に従います。
学校名だけを入力する形式なら、指定された欄に正確な情報を入力しましょう。
面接で通信制大学について聞かれたら?


面接では、通信制大学を選んだ理由や、学習方法について聞かれる場合があります。
無理に通学制大学と比較して説明する必要はありません。
自分が通信制大学を選んだ目的と、実際に取り組んだことを伝えましょう。
面接で整理したいこと
- なぜ通信制大学を選んだか
- 何を学んでいるか
- 仕事や生活とどう両立したか
- レポートや試験へどう取り組んだか
- 学んだことを仕事にどう生かすか
- 卒業までの予定はどうなっているか
働きながら学んだ場合の回答例
働きながら学び続けられる環境を選びたいと考え、通信制大学へ進学しました。学習時間を週ごとに決め、期限から逆算してレポートへ取り組んでいます。この経験を通して、計画的に物事を進める力が身についたと感じています。
自分のペースで学ぶために選んだ場合
体調と学業を両立しながら大学卒業を目指したいと考え、通信制大学を選びました。無理のない学習計画を立てながら、レポートや試験を継続しています。
学びたい分野を優先した場合
○○について学べるカリキュラムに魅力を感じ、通信教育課程を選びました。特に△△の授業で学んだ内容を、御社の□□業務に生かしたいと考えています。



通信制を選んだ理由だけでなく、
そこで何を学び、どう行動したかを伝えたいですね!
話を大きくしすぎない
通信制大学で学んだことを前向きに伝えるのは大切です。
ただし、実際にしていないことまで加える必要はありません。
「自己管理能力が身についた」と伝えるなら、
- 毎週の学習時間を決めた
- 提出期限を一覧にした
- 仕事後に学習を続けた
- レポートを計画的に提出した
など、具体的な行動を添えると伝わりやすくなります。
通信制大学の履歴書でよくある間違い
通信制大学の履歴書では、次のような間違いに注意しましょう。
よくある間違い一覧
| 間違い | 確認すること |
|---|---|
| 大学名を略す | 正式名称で書く |
| 年月を間違える | 証明書や入学時の書類で確認する |
| 和暦と西暦が混ざる | どちらかに統一する |
| 在学中なのに卒業見込みと書く | 卒業時期が確定しているか確認する |
| 中退歴を卒業と書く | 「中途退学」と正確に書く |
| 古い学科名を書く | 在学当時の正式名称を確認する |
| 編入前の大学を省略する | 時系列に沿って記載する |
| 通信制を不自然に隠す | 証明書と一致する表記にする |
| 理由を詳しく書きすぎる | 履歴書では簡潔にする |
| 応募先の指定を見ない | 指定書式や入力項目を優先する |
FAQ
まとめ:通信制大学も正式名称と在籍状況を正確に書こう
通信制大学も、正規課程であれば履歴書の学歴欄に記載できます。
大切なのは、大学名・学部名・学科名と、現在の状況を正確に書くことです。
最後に、状況別の書き方をまとめます。
| 状況 | 最後の表記 |
|---|---|
| 在学中 | 在学中 |
| 卒業予定 | 卒業見込み |
| 卒業済み | 卒業 |
| 途中で退学 | 中途退学 |
| 別の大学へ移った | 退学・編入学を時系列で記載 |
「通信教育課程」をどこまで書くかは、大学の正式名称によって異なります。
迷った場合は、在学証明書・卒業証明書・大学公式サイトを確認し、大学のキャリアセンターや事務局へ相談しましょう。
履歴書では学歴を正確に書き、面接では、
- なぜ通信制大学を選んだか
- 何を学んだか
- どのように学習を続けたか
- 仕事にどう生かしたいか
を自分の言葉で説明できるようにしておくと安心です。

