【体験談】給食がつらくて学校へ行けない|人前で食べられない中高生へ

給食の時間が近づくと、
「自分のかむ音が聞こえていそう」
「飲み込む音を変に思われていないかな」
「食べ方を見られたくない」
「給食さえなければ学校へ行けそう」
と感じる人もいると思います。
私も夜間の定時制高校に通っていたころ、人前で食べるときの音が気になっていました。
給食は安くておいしく、担当していた方もやさしかったです。
それでも、自分のかむ音や飲み込む音が周囲に聞こえているように感じ、最終的に給食の利用をやめました。
ただし、私の場合は、給食だけが原因で学校へ行けなくなったわけではありません。
この記事では、私の体験をもとに、給食の時間が登校の負担になっているときに、学校へ相談できる方法を考えます。
給食を食べられるかどうかと、学校へ通えるかどうかを、一つの問題にしなくてもよいと思います。
※人前で食べることへの不安や、学校で受けられる対応は人によって異なります。強い不安や体調の変化が続く場合は、保護者、学校、医療機関などへ相談してください。
私は定時制高校で給食の利用をやめた


私が通っていた夜間定時制高校には、給食がありました。
小学校や中学校の昼食とは違い、夜間の授業が始まる前に食べる夕食に近い給食でした。
昼間にアルバイトをしてから学校へ行く日もあったため、学校で夕食を食べられることは助かりました。
給食自体は安くておいしかった
私が食べていた給食は、おいしいと感じることが多かったです。
正確な料金は覚えていませんが、家で夕食を用意するよりも安く感じました。
給食が余っているときには、おかわりできることもありました。
給食を担当していた方もやさしく、給食そのものに悪い印象があったわけではありません。
自分が食べる音を意識するようになった
給食を食べているうちに、自分が出している音が気になるようになりました。
特に気になったのは、
- 食べ物をかむ音
- 飲み込むときの音
- 箸や食器が触れる音
- 口を動かしているときの音
です。
実際にどのくらい音が出ていたのかは、私にも分かりません。
周りの人には、ほとんど聞こえていなかった可能性もあります。
それでも、食べ始めると、
「今の音は聞こえたかな」
「食べ方がおかしいと思われていないかな」
と考えてしまいました。
実際に大きな音が出ていたかではなく、周囲に聞かれているように感じることがつらかったです。
頭では気にされていないと分かっていた
周りの人は、それぞれ自分の給食を食べています。
私の食べる音だけを、ずっと聞いているわけではないと思います。
私自身も、頭では分かっていました。
それでも、不安を自分で止めることはできませんでした。
「誰も気にしていない」
と考えようとするほど、逆に音へ意識が向くこともありました。
最終的に給食をやめた
給食の味や料金には満足していましたが、人前で食べる時間の負担が大きくなりました。
そのため、私は給食の利用をやめることにしました。
私の学校では、事務室で案内された書類を提出して手続きをしました。
学校によって、給食の利用方法、停止手続き、料金の扱いは異なります。
定時制高校の給食時間、料金、おかわり、利用をやめた手続きについては、こちらの記事で詳しく書いています。
給食がおいしいことと、人前で安心して食べられることは別
給食を食べられないと、好き嫌いやわがままだと思われることがあります。
しかし、家では食べられても、学校では食べられない人もいます。
食べ物の内容ではなく、誰と、どこで、どのように食べるかが負担になっている場合もあります。
私も、給食がおいしくないからやめたのではなく、人前で食べることや自分の出す音がつらかったです。
人前で食べるとき、何がつらいのかを分けて考える
「給食が嫌」という言葉だけでは、本人が何に困っているのか分からないことがあります。
学校へ相談する前に、つらい部分を一つずつ分けてみましょう。
| 気になること | 本人が感じる可能性がある不安 |
|---|---|
| 自分の食べる音 | かむ音や飲み込む音を聞かれそう |
| 周囲の視線 | 食べ方や口元を見られていそう |
| 食べる速さ | 遅い、早いと思われそう |
| 残すこと | 好き嫌いだと思われそう |
| 食事中の会話 | 食べながら返事をするのが難しい |
| 給食当番 | 配膳や周囲との協力が緊張する |
| 周囲の音 | 咀嚼音や食器の音がつらい |
| 食べる量 | 多い、少ないと見られそう |
すべての人が同じ理由で給食を避けているわけではありません。
本人へ聞くときも、
「どうして給食が嫌なの?」
と大きく質問するより、
「教室で食べることがつらい?」
「音を聞かれることが気になる?」
「一人なら食べられそう?」
と一つずつ確認する方が、答えやすい場合があります。
周りは気にしていないと言われても不安が消えないことがある
本人が、
「自分でも気にしすぎだと思う」
と分かっている場合もあります。
それでも、不安のために食べられなくなったり、その場を避けたりすることがあります。
厚生労働省は、人から注目されたり、恥ずかしい思いをしたりすることへの強い恐怖によって、学校での活動や人付き合いに支障が出る場合があると説明しています。
ただし、人前で食べるのがつらいからといって、必ず特定の病気だと決めることはできません。
記事では、
- 会食恐怖症
- 社会不安障害
- 感覚過敏
- 摂食障害
などと、本人や保護者だけで断定しないことが大切です。
不安によって体の症状が出ることもある
給食のことを考えたときに、
- 腹痛
- 吐き気
- 動悸
- 息苦しさ
- めまい
- 体の震え
- 強い緊張
などが出る人もいます。
強い不安に伴い、動悸、吐き気、めまいなどの身体反応が現れることもあります。
症状が続く場合は、
「学校へ行きたくないから仮病を使っている」
と決めつけず、身体面も含めて相談してください。
給食の時間を考えると朝から学校へ行けなくなることがある
給食は昼の時間ですが、本人の不安は朝から始まることがあります。
例えば、
- 朝から給食の場面を想像する
- 教室で食べる音や視線が気になる
- 給食の時間まで何時間も緊張する
- 腹痛や吐き気が出る
- 学校へ行けなくなる
という流れです。
給食の時間だけがつらい場合でも、一日全体の登校へ影響することがあります。
ただし、原因を給食だけに決める必要はありません。
- 教室の人間関係
- 授業
- 先生との関係
- 休み時間
- 部活動
- 給食当番
- 朝の体調
など、ほかの負担が重なっている場合もあります。
前日には行くつもりでも、朝になると動けなくなる状態については、こちらの記事で詳しく書いています。
給食がつらいときは登校か欠席かの二択にしなくてもよい


給食を食べられないからといって、
- 一日中教室へ行く
- 学校を完全に休む
の二つだけに決めなくてもよいと思います。
学校によって対応できる範囲は異なりますが、次の方法を相談できる場合があります。
- 給食前に早退する
- 給食後から登校する
- 午前または午後の授業だけ参加する
- 給食時間は別室で過ごす
- 食事を取らずに休憩できるか相談する
すべての学校で認められるわけではありません。
出欠、早退・遅刻、給食費、持参できる食事などは、担任や学校へ確認してください。
給食を食べられないから学校にも行けない、と最初から決めなくてもよいと思います。
給食以外にも強い負担がある場合は、短時間登校も難しいかもしれません。
無理に登校させず、本人が何ならできそうかを一緒に考えましょう。
別室へ移れば必ず食べられるとは限らない
別室で食べることは、一つの方法です。
教室より人が少なく、周囲の視線を感じにくくなる人もいると思います。
一方で、別室でも食べられない場合があります。
例えば、
- 先生と二人きりの方が緊張する
- ほかの生徒が同じ部屋にいる
- 静かすぎて音が余計に気になる
- 食べた量を確認されるのがつらい
- 見守られているように感じる
- 別室へ行く姿を見られたくない
という場合です。
「教室が無理なら別室で食べればよい」
とすぐに決めず、本人がどの状況なら少し負担が減るかを確認します。
別室について確認したいこと
- どの部屋を使うのか
- 一人で過ごせるか
- ほかに利用する生徒がいるか
- 先生は部屋にいるか
- 給食を誰が運ぶか
- 食器をどこへ戻すか
- 給食を食べない日も利用できるか
- 途中で帰りたくなった場合はどうするか
可能であれば、利用前に部屋を見せてもらうと、本人も想像しやすくなります。
給食前に帰る・給食後から登校する方法
給食以外の授業には参加できそうなら、登校時間を変える方法もあります。
給食前に早退する
午前中の授業へ参加し、給食が始まる前に帰る方法です。
帰宅後に食事を取れるようにしておきます。
給食後から登校する
給食時間が終わった後から学校へ行き、午後の授業へ参加する方法です。
人の少ない時間に学校へ入れるかも確認します。
短時間だけ登校する
最初から毎日一日中通うのではなく、
- 好きな授業だけ
- 1時間だけ
- 放課後だけ
- 先生との面談だけ
という方法を相談できる場合もあります。
給食を避けることが、すぐに問題の解決になるとは限りません。
それでも、給食への不安で一日中学校へ行けない状態より、本人が学校とつながりやすい方法を探すことには意味があると思います。
「一口だけ食べれば慣れる」と無理に勧めない
保護者や先生は、本人に少しでも慣れてほしいと思うかもしれません。
しかし、次のような言葉は負担になる場合があります。
- 「一口だけ食べてみよう」
- 「誰も見ていないよ」
- 「気にしすぎだよ」
- 「今日だけ我慢して」
- 「みんな同じように食べている」
- 「残すのは作った人に失礼だよ」
- 「普通に食べれば大丈夫」
- 「食べ終わるまで帰れないよ」
本人が自分から試したいと思っていない状態で無理に食べさせると、給食だけでなく、学校そのものへの不安が強くなる可能性があります。
挑戦する場合も本人のペースで考える
本人が少しずつ人前で食べられるようになりたい場合は、段階を小さくします。
例えば、
- 一人の部屋で食べる
- 信頼できる家族一人と食べる
- 飲み物だけ一緒に取る
- 人の少ない場所で軽食を食べる
- 別室で短時間過ごす
- 本人が希望すれば教室で試す
という進み方も考えられます。
ただし、これは全員が同じ順番で進めるためのチェックリストではありません。
本人の同意なく、周囲が次の段階を決めないようにします。
不安や吐き気、動悸などが強い場合は、自己判断で無理に段階を進めず、医療機関やスクールカウンセラーなどへ相談してください。
給食当番が負担になっている場合もある
食べることだけでなく、給食当番がつらい人もいます。
- 配膳中に注目される
- 量を聞かれる
- 食べ物をこぼすことが怖い
- 欠席が多く流れが分からない
- 同級生と協力することが緊張する
- 食器を運ぶ音が苦手
- マスクを外すタイミングが気になる
一時的に給食当番を外してもらえるか、別の役割に変えられるかを相談してもよいと思います。
「給食が嫌」という言葉の中に、当番への不安が含まれていることもあります。
本人から学校へ伝える文章
口頭でうまく話せない場合は、メモや連絡アプリを使う方法があります。
そのまま使える例です。
「給食の味が嫌いなのではありません。
人前で食べると、自分のかむ音や飲み込む音が周りに聞こえているように感じます。
周りが気にしていないことは分かっていますが、不安を止められません。
給食の時間が近づくと、学校へ行くことまで怖くなります。
別室で過ごすか、給食前に帰る方法を相談したいです。」
短く伝える場合は、次のようにも書けます。
「人前で食べることがつらく、給食の時間が登校の負担になっています。給食時間の過ごし方を相談したいです。」
保護者から学校へ伝える文章
保護者から学校へ連絡する場合は、本人の悩みを好き嫌いとして説明しないことが大切です。
「いつもお世話になっております。本人の学校生活について、少し困っていることがありご相談させてください。
実は現在、本人が「人前で食事をすること」に対して非常に強い不安を抱えています。給食のメニューに問題があるわけではなく、「自分の咀嚼音や飲み込む音が周りに聞こえて、不快に思われているかもしれない」という恐怖心があるようです。この不安が原因で、朝学校に向かうことすら難しくなっております。
本人の「学校には行きたいけれど、給食の時間がどうしても怖い」という気持ちをくみ、別室で過ごす、給食前に早退するなど、負担を減らせる方法について相談させていただけないでしょうか。」
学校へは、次の内容も伝えます。
- 食事量が減っていないか
- 給食以外の時間は登校できそうか
- 本人が一番不安に感じていること
- 本人が希望している対応
- 避けてほしい声かけ
給食の利用をやめる前に確認したいこと


学校給食の利用停止や料金の扱いは、学校や自治体によって異なります。
利用をやめる前に、次のことを確認します。
- 給食を一日単位で休めるか
- 長期間停止できるか
- いつまでに申請するか
- 給食費が止まる時期
- すでに支払った分は返金されるか
- 保護者の署名が必要か
- 弁当や軽食を持参できるか
- 再開するときに手続きが必要か
私の定時制高校では、その日だけ食べなくても一食分が返金される仕組みではありませんでした。
利用自体をやめるときは、事務室へ書類を提出しました。
これは私が在籍していた学校での体験です。
学校ごとに制度が違うため、担任や事務室へ確認してください。
給食をやめた後の食事も考える
給食を利用しなくなる場合は、
- 登校前に食べる
- 帰宅後に食べる
- 学校へ持参する
- 給食前に帰宅する
- 学校外で軽食を取る
など、その後の食事も考える必要があります。
不安を避けるために給食をやめた結果、長時間何も食べない状態にならないようにします。
夜間定時制高校の授業時間や給食を食べる時間については、こちらの記事でも紹介しています。
家でも食べられない場合は給食だけの問題にしない
人前では食べられなくても、家では普段どおり食べられる人もいます。
一方で、次のような変化がある場合は、給食場所の工夫だけで抱え込まない方がよいと思います。
- 家でも食事を取れない
- 水分もあまり取れない
- 食事量が大きく減った
- 体重が急激に変化した
- 食べた後に繰り返し吐いている
- 体重や体形を極端に怖がっている
- 食事への恐怖が生活全体へ広がっている
- 給食以外の外出や人付き合いも避けている
- 吐き気や動悸などが強く出る
厚生労働省は、まったく食べられない状態や、むちゃ食い、嘔吐などが続く場合には、摂食障害の可能性もあり、専門家の支援が必要になると説明しています。
ただし、人前で食べられないことと、摂食障害は同じではありません。
体重や体形への強いこだわり、極端な食事制限、嘔吐などがある場合に、別の問題がないか相談するという考え方です。
相談できる場所
- 学校の養護教諭
- 担任
- スクールカウンセラー
- 小児科
- かかりつけ医
- 心療内科や精神科
- 自治体の子ども・若者相談窓口
本人が学校や医療機関へ行けない場合は、保護者だけで先に相談する方法もあります。
私が今振り返って思うこと
私が通っていた定時制高校の給食は、安くておいしく、担当していた方もやさしかったです。
それでも、人前で食べるときの音が気になり、私は給食の利用をやめました。
給食がおいしいことと、人前で食べることがつらいことは矛盾しないと思います。
また、教室で普通に食べられるようになることだけを目標にしなくてもよいと思っています。
別室で過ごす、給食前に帰る、給食後から登校するなど、学校と相談できる方法もあります。
ただし、場所を変えるだけですべて解決するとは限りません。
食事量や体調、給食以外の学校生活への不安も確認することが大切です。
みんなと同じ場所で給食を食べられるかではなく、本人が安全に食事を取り、学校とつながれる方法を考えてほしいです。
給食や人前での食事に関するFAQ
まとめ|給食を食べる方法は一つではない
給食の時間がつらく、学校へ行けなくなる人もいます。
今回のポイントをまとめます。
- 給食がおいしくても、人前で食べることがつらい場合がある
- かむ音や飲み込む音、視線などが負担になる人もいる
- 給食を食べられないことを好き嫌いや甘えと決めつけない
- 給食前の早退や給食後の登校を相談できる場合がある
- 別室へ移っても食べられるとは限らない
- 無理に一口食べさせるのではなく、本人のペースを大切にする
- 給食をやめる場合は、手続きとその後の食事方法を確認する
- 家でも食べられないなどの変化がある場合は、医療機関などへ相談する
全員と同じ場所で給食を食べることだけが、学校へ通う方法ではありません。
本人が安心して食事を取り、無理の少ない形で学校とつながれる方法を考えてほしいです。





